◆中3女子。パパととママが離婚します。ママと一緒に北海道に引っ越すことになりそう。でも私は転校したくありません。

パパとママが離婚することになりました。私は東京の普通中学生ですが、ママと一緒に北海道に引っ越すことになりそう。

でも私は転校したくありません。

東京にはたくさん友達がいて楽しいし、友達と一緒に行きたい高校も考えていたので…。

パパとママは、私の意見は聞いてくれないのでしょうか?

というか、おとなは子供の意見を聞かずに、勝手に子供の引越しを決めていいんでしょうか?

こどもは離婚りこん当事者とうじしゃではありませんが、意見いけんいてもらうことができます。

お父さんとお母さんが、裁判所さいばんしょ離婚りこんの話し合いをしているときは、「こどもの気持ちきもち意見いけんを考えてあげなければいけない」という決まりがあります。このことは、家事事件手続法かじじけんてつづきほうという法律ほうりつで決まっています。

だから、こどものあなたでも、お父さんとお母さんが話し合いをする裁判さいばん参加さんかして、直接ちょくせつあなたの意思いし気持ちきもちを伝えることができます(あなたの年齢ねんれいなどによって参加さんかことわられることもあるのですが、その場合ばあいでも裁判所さいばんしょの人には、あなたが参加さんかしたいということや、その理由りゆうはつたわります)。

でも、「じぶんも話し合いに参加したい!」ということを、お父さんにもお母さんにも言えないときもありますよね、一体だれに言えば、きちんと意見いけんを聞いてもらえるのか、わからない人もいると思います。そういうときは、お父さんお母さんがやとっている弁護士べんごしさんに伝えてみてはいかがでしょうか。

あるいは、少しどきどきしますが、裁判所に直接行って、窓口で聞いてみるという手もあります。

弁護士さんなどに連絡できず、もし本当に困ったときは、こども法律入門の問い合わせフォームからメッセージを送ってください。

ヒント

「じぶんの考えも聞いてほしい!」という思いは、なかなか言い出しにくいこともあります。

でも子どもだからといって、決して親の所有物ではないし、一人の人間です。「意見を伝える権利がある」と言っていいのです。

その根拠になる法の一例を、掲載しますね。

こどもの権利条約 第12条


締約国ていけつこくは、自己の意見を形成する能力のある児童がその児童に影響えいきょうを及ぼすすべての事項について自由に自己の意見を表明する権利を確保する。この場合において、児童の意見は、その児童の年齢及び成熟度せいじゅくどに従って相応に考慮されるものとする。
②このため、児童は、特に、自己に影響を及ぼすあらゆる司法上しほうじょう及び行政上ぎょうせいじょう手続てつづきにおいて、国内法の手続規則てつづききそく合致がっちする方法により直接ちょくせつに又は代理人若しくは適当な団体を通じて聴取ちょうしゅされる機会きかいを与えられる。

「子どもの権利条約」というのは、世界の国々が、子供たちを守ろうと決めて結んだ約束ごとです。日本も、この条約を結んでいるので、日本中のすべての子どもたちが、自由に意見を表明できるということになります。

また、子供の言い分を聞かずに、罰を与えたり、無理矢理に手続きを進めることは許されない、ということが②に書いてあります。

<ruby>家事事件手続法<rt>かじじけんてつづきほう</rt></ruby> 第65条

家庭裁判所かていさいばんしょは、親子、親権又は未成年後見みせいねんこうけんに関する家事審判その他未成年者である子(未成年被後見人を含む。以下この条において同じ。)がその結果により影響を受ける家事審判かじしんぱんの手続においては、子の陳述の聴取ちんじゅつのちょうしゅ家庭裁判所調査官かていさいばんしょちょうさかんによる調査その他の適切な方法により、子の意思を把握するように努め、審判をするに当たり、子の年齢及び発達の程度に応じて、その意思を考慮しなければならない。

「家事事件手続法」は、離婚など家族の問題を、裁判所でとりあつかうときのルールです。裁判官も、弁護士さんも、このルールに従っています。

65条では、子供の意思をしっかりと聞く努力をするように、裁判所に義務づけているのです。ただ、「子供の年齢を考慮して」とありますので、たとえば18歳の意見と5歳児の意見があった場合、必ずしも同じように対応してくれるかは、状況によるということになります。

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